◆ 「就労で年金停止や減額」愛媛新聞 2009年7月30日(木) ◆



 兵庫県で知的障害者の障害年金の停止や減額が相次いでいるとのことです。
 少し仕事が続いたので、障害の等級を下げたためということ。1級が2級に下がったり、2級が該当しないと判定されたためだといいます。

 本来、知的障害者の障害は、生来のものであり変化はしないものとされてきました。
 もちろん、訓練や本人の努力により、できることが増えていく人はたくさんいます。
 でもそれは障害を抱えながらその能力の中で最大限の努力をしていることで、健常者と同じ力をもちなおし、
 援助なくして自活して行ける状態になったわけではなく、指示援助見守りなどのサポートがあることで何とかできている状態なのです。

 経済的にも自立ができるほどではないはずです。兵庫県の社保庁の考え方と対応はひどいものです。
 努力をするまじめな人が馬鹿を見るということになってしまいます。戦わなければいけません。

 知的障害にこのような評価をするということはもっと障害に変化を伴う精神障害の場合はますますそういうことを言われることになるはずです。
 等級の決定は主治医の診断書によって行われるので、Drがその辺のことをよく理解して作成してくれる必要があります。

 本来、年金制度は国の制度ですから自治体によって判断の差があるべきではありません。しかし、そこに相当の差が存在するのは事実です。
 厚生年金の場合は東京で一括して審査を行うので地域差は生まれませんが、経験上その時代や審査医により時期的に相当な判定の差が出ます。
 基礎年金の場合は都道府県単位で等級決定を行うので、社会保険事務所や審査医の考え方により、県によってかなりの違いがあります。
 現在社保庁は一括審査を検討しているようですが、これ又どんな物差しがつかわれるかで、悲劇が生まれることは間違いありません。
 いい加減なことばかりやってきた社保庁は信用しろといっても信用できません。

 年金制度はなくしてはいけない大事なものであるにもかかわらず、国や社保庁がやっていることはひどすぎます。
 閉塞した今の政治を一度ひっくり返すしかやりようがなさそうです。
 (文責 谷本)

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